迷子ペットを捜すためには〈2〉

迷子ペットを捜すためには〈1〉の続き。


【第2回】迷子になったとき、最初にするべきこと

第2回からは、本題だ。

『ペットが迷子になった』……あわてたり心配するのは当然のことなのだが、まずは冷静になって最初にするべきことをしよう。

【その1:交番(警察)に届け出を出す】

まっ先にやるべきことは、届け出をすることである。

ペットは法律上は物(遺失物)であり拾得物となっている。迷子になったということは、紛失したということであり、遺失物として交番に届け出を出すのだ。

拾った人は届け出をする必要があり、勝手に自分のペットとするのは、法律違反となる。これは金品を拾った場合と同様で、落とし主が6ヶ月間現れない限り、拾い主の物にはならない。

うちで保護している猫(ラピ)も、近所の交番に保護していることを届けている。がしかし、元々の飼い主は届け出を出していないのか、該当する情報についての連絡はいまだにない。

交番への届け出の方法は簡単で、名前・住所・電話番号などの連絡先や、ペットの種類や特徴を申告する。写真があるならば持っていくのもよい。届け出を出したあとは、連絡待ちになるわけだが、ただ待っているだけではなくときどき自分から出向いて、なにか情報がないかを確認した方がいいだろう。

そして、もし、ペットが自力で戻ってきたときや、自分で発見・連れ戻したときには、交番にも報告することをお忘れなく。

【その2:保健所、動物愛護相談センターに問い合わせる】

次は、公的機関である保健所や動物愛護相談センターに問い合わせをする。

ここは迷子になった犬や猫が収容された場合、一時的に保護される場所であり機関だ。もし、保健所に収容されているとしたら、早急に連絡を入れ確認する必要がある。なぜなら、一定期間の保管期間が過ぎると、処分されてしまうからだ。処分とは、つまり殺処分である。保管期間は1週間程度だが、各自治体によって異なる場合がある。

ここでひとつ重要な点がある。犬の場合、飼うためには保健所に届け出をする必要があり、登録されれば戸外に貼る「犬」のステッカーや鑑札をもらうことになる。この登録を行っていれば、首輪に鑑札を付けることになり、もし収容されれば鑑札から飼い主を特定できるのだ。犬を飼う方は、必ず届け出と登録をしておくことだ。

なお、動物の保護と管理を行う機関は、各自治体によって異なるので、自分が住む地域では、どこが管理しているのか確認しておいた方がよい。

東京の「動物愛護保護相談センター」では、収容動物の情報をインターネットでも公開しており、一部には写真付きのものもある。

保健所に収容されていないかどうかは、最寄りの保健所に問い合わせるか、実際に出向いて調べるしかない。

ちなみに、リストを作るにあたって、各県のホームページを調べて回ったのだが、どこの自治体も内容がわかりにくかった。目的のものを探し出すのに、階層の深いところまで入らなくてはならず、ページがどこにあるのかが明瞭ではない。リンクのリンクを辿ってようやく探し当てるといった状況だった。サービスの一環としてのホームページならば、もっと見やすく、わかりやすくして欲しいものである。

また、動物やペットに関する扱いは、小さいか目立たないものも多く、東京のようなケースは希である。ペットに関する自治体の取り組み方が現れていると思う。

【その3:近所の捜索・初期編】

迷子になって、まずは近所を自分で捜索することになる。

猫でも犬でも、自力ではそうそう遠くまで行くことはない。せいぜい数百メールの範囲内だろう。

犬の場合には、わりと道を歩きまわっていることが多いかと思うが、猫の場合には見えやすいところにはいないと考えた方がよい。

猫は建物のすき間や、物陰に隠れて、捜している飼い主を見ているかもしれない。名前を呼んで応えるように訓練でもしていない限りは、なかなか呼びかけには応えないものだ。これといった確実な方法はないが、近所を巡回するように、何度も歩きまわっていくしかない。

犬の場合は、発見したときに名前を呼べば、近づいてくる可能性は高い。このとき、戻ってくるかどうかは、飼い主との関係しだいだろう。

猫の場合は、いきなり近づくのは禁物だ。どんなに慣れていると思っていても、外に出てしまった猫は怯えて警戒心が強くなっている。見える距離から一気に近づくのではなく、呼びかけながら少しずつ距離を縮めていくことだ。このとき、好物の食べ物などを持っているといいだろう。猫を驚かせないようにじっくり時間をかけて近づき、手の届く距離まで接近したら、確実に捕獲するようにしよう。

うちの黒猫が迷子になったときも、このようにして接近した。そして捕獲したら、たとえ猫が勢いあまって噛みついてきても、絶対に離してはいけない。実際、私は黒猫にガブリと噛まれて、血だらけになってしまったのだが、つかんだ手は離さなかったのだ。あとになって噛み傷がかなり深かったことが判明した(笑)。しかし、そのときは真剣なので、痛みなど感じなかったのだ。

迷子になってから直後の初期捜索は、頻繁にやったほうがよい。時間が経つほどに、遠くへ行ってしまう可能性があるからだ。

初期捜索の期間は、3日~7日くらいだろう。一週間を過ぎても戻ってこないと、近所にはいないか、すでに誰かに保護されていることが考えられる。
そして、最悪の事態も想定しなくてはならない。

それは交通事故である。事故にあっても、動物をひいたドライバーが届け出をすることは希だろう。ひき逃げか、ひいたあとに死体を路肩の茂みにでも捨てるのが関の山。

捜し歩く巡回のときに、歩道の生け垣の中なども見てまわることだ。私が散歩をしているときに、放置された犬猫の死骸を発見したことがあるのは、一度や二度ではない。また、ひき逃げされたばかりの犬に遭遇したこともあり、その場に居合わせたおばさんの自転車を借りて、ケガをした犬を動物病院に担ぎこんだこともあるのだ。

考えたくはないかもしれないが、事故の可能性も覚悟した方がよい。

【その4:近所の捜索・チラシ&貼り紙編】

近所を巡回するのと平行してやった方がいいのが、迷子ペットを捜しているという、チラシの配布や貼り紙である。

このとき、必要になるのが第1回で書いた「写真」である。最近ではパソコンを持っている人なら、プリンタも持っているだろうから、チラシを作ることも容易になっている。カラープリンタであれば、なおよい。写真がなかったら、下手な絵でもいいので図解して特徴を説明するといいだろう。文字だけでは、やはりわかりにくいし、人目も引かないからだ。

そして、写真入りのチラシをたくさん作って、家々のポストに投函したり、電柱に貼っていくのだ。電柱に貼り紙をするのは禁止されていることなのだが、たとえ罰せられたとしてもそのくらいの代償は覚悟しよう。しかし、貼り紙は多くの場合、すぐに剥がされてしまう。誰が剥がしているのかはしらないが、かなりの確率で剥がされる(汗)。

貼り紙は人通りの多い、目立つ場所がいいわけだが、衆目の中で貼り紙をするのはけっこう勇気がいる。貼りやすいということでは、夜中に貼るのがいいだろう。
また、貼り紙を掲示してくれる動物病院やお店にもお願いしよう。たいていの動物病院が、そうした掲示をしてくれるはずだ。

【その5:捜索範囲を広げる・インターネット編】

さて、その4までの初期捜索をやっても、手がかりがつかめないとなると、さらに捜索範囲を広げる必要が出てくる。

そこで活用するのは、迷い猫.NETがそうであるように、インターネットでの迷子掲示板である。

これについては、次回に詳しく書きたいと思う。

【その6:プロのペット探偵編】

ペット社会の反映か、有料でペット捜索をする会社がいくつかある。

だが、かかる費用は半端ではない。金銭的余裕があるならば、そういうサービスを利用するのもいいが、効果のほどはケースバイケースだろう。いくつかあるペット専門の探偵社の評判は、賛否両論である。

googleの検索で「ペット探偵」と入れて検索すれば、参考になる情報が出てくる。

以上が、迷子になった初期にすること、できることだろうと思う。


次回は「インターネットで迷子ペットの情報を求める」。